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【美容皮膚科医監修】クレンジングと洗顔料のタイプごとの特徴、正しいクレンジングと洗顔の方法について。

2022/08/15


 クレンジング、洗顔料にはオイル、クリーム、ミルク、ジェル、ふき取りタイプや、洗顔料にも泡洗顔フォームや固形石鹸などいろいろな種類があってどのクレンジングを選べばよいか迷いますね。
 朝メイクをした後、夕方にかけて肌の表面には空気中のほこりや排気ガス、汗や皮脂、古い角質、メイクなどの汚れが付着している状態になります。この汚れを放置しておくと、細菌の繁殖や皮脂の酸化から過酸化脂質がつくられ、肌を刺激して肌荒れをおこしてしまうので、夜はきちんとメイクなどの汚れが肌に残らないように適切なクレンジングや洗顔で落とす必要があります。
 ここでは、クレンジングや洗顔料の種類による特徴、正しいクレンジング、洗顔の方法についてご紹介します。
 


クレンジングって?洗顔とはどう違う?


 お肌に付着した汚れを洗い落とすのがクレンジングと洗顔ですが、クレンジングは洗顔では落ちにくいメイクを落とすアイテムのことをいいます。
 メイク汚れは油性成分でつくられているので、クレンジングはこのメイク汚れを油性成分と界面活性剤で浮かせて落とすようにつくられています。一方で、洗顔は水洗いでは落ちない肌表面に付着したほこりや汗、皮脂を落とすアイテムで、界面活性剤を主としてつくられます。
 メイクをした日は夜はまずクレンジングでメイクを浮かせて落としやすくして、そのあと洗顔で浮いたメイク汚れや汗や皮脂、ほこりなどの汚れを洗い落とす必要があるので、メイクをした日は基本的に夜はクレンジングと洗顔のダブル洗顔が必要になります。また、朝は寝ていた時の汗や皮脂を洗顔で洗い流すようにしましょう。
 アイテムによってはクレンジングと洗顔が1本でできるダブル洗顔いらずのアイテムもあり、便利で洗顔時の摩擦による負担をあまりかけないので、お肌にも優しいアイテムといえます。


クレンジングのタイプごとの特徴

①オイルクレンジング

 オイルクレンジングは、油性成分を主成分としたアイテム。
洗浄力が最も強く濃いメイクやウォータープルーフの日焼け止めなど落ちにくいメイクもしっかり洗い落とせます。
洗浄力が強いため、肌表面を保護している皮脂膜も同時に洗い流されてしまうので、洗浄後につっぱったり、乾燥しやすくなるデメリットも。

➁クリームクレンジング

 水より油性成分が多めのものがクリーム状のクレンジングです。
オイルクレンジングよりは劣りますが、洗浄力は強めでしっかりメイク汚れを落としてくれます。
しかし同時に肌表面を保護している皮脂膜も洗い流されがちで、洗浄後に乾燥しやすくなります。

③ミルククレンジング

 クリーム状のタイプより水性成分が多く、さっぱりとした使用感が特徴です。
洗浄力はやや弱めですが、肌表面にある皮脂膜を過剰に洗い流さないので、使用後のつっぱりが少ないです。

④ジェルクレンジング

 水溶性のジェルタイプのクレンジングは、油性成分が少ない分界面活性剤が多く入っています。
洗浄力は弱めですが使用感がさっぱりとしていて肌表面の皮脂膜を過剰に洗い流さないので使用後のつっぱりが少ないです。

⑤クレンジングシート、クレンジングローション

 クレンジングシートやクレンジングローションは、コットンに含ませて使用するタイプのアイテムです。
水性成分が主体で、洗浄力は弱めですが物理的なふきとりによって洗浄力が高くなります。肌を擦るため、お肌への摩擦によるダメージがかかってしまうので注意が必要です。


洗顔料のタイプごとの特徴

①固形石鹸

 固形石鹸は洗浄力の強いものが多く、洗顔後肌の上にせっけんカスがたまり、つっぱり感がでることがあります。
そのままでは泡だちにくいので、洗顔ネットなどを使用してしっかり泡立てる必要があります。

➁クリーム状、ペースト状

 クリーム状、ペースト状のものは、泡立てやすく手軽に泡だてることができます。
弱酸性~アルカリ性のアイテムがあり、弱酸性のアイテムは洗浄力が弱めですが使用後のつっぱり感がなくしっとりした洗いあがりになります。
アルカリ性のアイテムは洗浄力が強く、使用後にややつっぱることがあります。

③泡タイプ

ポンプフォーマーなどの泡タイプの洗顔は、容器からでてくるときに泡となって出てくるので、泡立てる必要がなく便利です。
弱酸性~アルカリ性のアイテムがあり、弱酸性のアイテムは洗浄力が弱めでしっとりした使用感、アルカリ性のアイテムは洗浄力が強く使用後につっぱることがあります。


弱酸性とアルカリ性のアイテムの違いって?


 せっけんは、ヤシ油やパーム油などの油脂や脂肪酸に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を反応させてつくられるので、弱アルカリのアイテムが一般的です。
 弱酸性の洗顔料は、グルタミン酸などのアミノ酸からつくられるので、弱酸性のアイテムができます。人間の肌はpH4~6.5の弱酸性で、pHがアルカリ性に傾くと肌が過敏になって細菌炎症やアルカリ炎症をおこしやすくなるといわれています。
 弱アルカリ性のせっけんを使うと、皮膚のpHは一時的に8前後のアルカリ性になりますが、健康なお肌は中和能をもっているので、汗や皮脂によって30分もたたないうちに中和されて元の弱酸性に戻すことができます。
 しかし、肌荒れや皮膚のバリア機能が低下しているお肌は、この中和能が衰えているため弱酸性に戻す力が弱く、アルカリに傾いている時間が長くなるのでアルカリ炎症といった肌荒れをおこしやすくなります。
 弱酸性の洗顔アイテムは、肌がアルカリに傾かないのでお肌に負担がなく、敏感肌や一時的に肌の調子が悪い時におすすめです。


クレンジングと洗顔が1本でできるダブル洗顔いらずのタイプの特徴


 ダブル洗顔とは、クレンジングと洗顔を分けて2回で洗う方法のこと。通常はメイクなどの油汚れをクレンジング剤で浮かせて、洗顔料で浮いたメイクなどの汚れを落とす必要があるので、メイクをしている日はダブル洗顔が必要になります。
 ダブル洗顔いらずとは、クレンジングと洗顔を一度に行える洗顔料のことで、界面活性剤が主な成分でできています。
 洗顔を一度で行えるので、洗顔による肌の負担を減らしてくれるので、敏感肌や一時的に肌の調子が悪いときにおすすめ。また洗顔にあまり時間をかけたくないめんどくさがりの方にもぴったりです。
 オイルクレンジングやクリームクレンジングなどの洗浄力が強いクレンジング単独よりは洗浄力が弱いことが多く、しっかりメイクは落としづらい可能性がありますが、日常的なナチュラルメイクの時にぴったりです。しっとりとした使用感で洗浄後につっぱりが少ないものが多く、乾燥肌の人にもおすすめです。


クレンジング、洗顔のときの洗い方のポイント

・クレンジングの量はたっぷり使用しましょう。

クレンジングの量が少ないと、肌をこすることになり摩擦で肌を傷めてしまいます。クレンジング剤は商品に記載されている適切な量を使用しましょう。

・クレンジングを長時間行ったり、肌にのせてパックしないようにしましょう。

クレンジング剤でお肌の上にパックをして長時間のせていると、必要以上に肌のうるおいをとってしまいます。クレンジングは洗い流すものなので、優しくメイクとなじませたら放置せずにすぐ洗い流しましょう。

・クレンジング、洗顔は優しく擦らず洗いましょう。

 肌への摩擦は色素沈着の原因になります。指先だけでのばそうとすると、よけいな力がかかってしまいがちなので、手のひら全体で優しくなでるように洗いましょう。

・ナチュラルメイクの日もメイクはその日のうちにオフしましょう。

 ナチュラルメイクであっても、時間がたつと空気中の汚れと皮脂に吸着し、皮脂が酸化してお肌にダメージを与えしみやくすみの原因になったり、毛穴に汚れがつまってニキビができます。メイクはその日のうちに必ず落としましょう。

・日焼け止めだけの日もクレンジング剤できちんとオフしましょう。

 日焼け止めは基本的にせっけんでは落ちません。日焼け止めを使用する場合は、きちんとクレンジング剤でオフしましょう。中にはせっけんで落ちる日焼け止めもあるので、その場合は洗顔料のみで大丈夫です。

・乾燥やお肌が敏感になっている時は、保湿剤が入っている洗浄剤を選びましょう。

 洗顔料は洗い流すものですが、セラミドなど保湿剤が入っている洗浄料はうるおいを失いにくくするという報告があります。セラミドが入っていると洗い上がりがしっとりしてつっぱりにくいので、乾燥肌の人にはおすすめです。

・熱いお湯は避けて、ぬるま湯で洗うようにしましょう。

 入浴やシャワーでよく使う40℃前後のお湯は、お肌に必要なうるおいを洗い流してしまいます。少し冷たくかんじる程度の32~34℃のぬるま湯で洗うようにしましょう。

・洗顔は、泡で洗うようにしましょう。

 汚れが気になるからといって、しっかりこすって洗うとお肌にダメージとなりしみやくすみの原因になります。汚れが気になるところも、泡を転がすようにクルクルと優しく洗いましょう。
美容外科・皮膚科・美容皮膚科 医師 土方 瑛香
PROFILE
医師
土方 瑛香
Teruka Hijikata

皮膚科・美容皮膚科医


2010年帝京大学医学部卒業。都内一般外科、呼吸器外科を経て、2020年より都内美容皮膚科に勤務
化粧品成分検定1級、ジュビダームビスタ認定医、ボトックスビスタ認定医
外科専門医、呼吸器外科専門医

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